ミズキ(虎の子ラミー)plays Surfliner Deluxe

“東京発立体型サファリロックバンド”を掲げて、精力的な活動を展開している“虎の子ラミー”。バンドのギタリストであるミズキが、現在メイン・ギターとして愛用しているのがGuild のSurfliner Deluxeである。本器は、ビンテージGuildから影響を受けたクラシックなデザインのボディに、多彩な音作りにも対応するSSHレイアウトのピックアップを搭載したモデル。今回、ライブやレコーディングにおいてその実力を遺憾無く発揮しているというSurfliner Deluxeについて、ミズキに実演を交えながらその魅力を語ってもらった。


SURFLINER Deluxe

カリフォルニアの海岸線からインスパイアを受けて誕生したSurflinerの進化系、Surfliner Deluxe。ブランド史上初となるローステッド・メイプル・ネックを採用しており、サテン・フィニッシュを施すことで快適な演奏性を実現。ピックアップには、フロントとミドルにDeArmond Aerosonic(シングルコイル)、リアにアルニコIIマグネットを使用したHB-2(ハムバッカー)を搭載。表情豊かなサウンドメイクを楽しめるモデルに仕上がっている。また本モデルのために開発されたGuild Floating Vibrato Tailpieceを使えば、フレーズに更なる彩りを加えることができる。

虎の子ラミー

2013年に東京で結成。“東京発立体型サファリロックバンド”と銘打った激しいライブ・パフォーマンスで大きな注目を集めている気鋭の4人組 。ジャンルにとらわれることのない振り切った音楽表現で、全国各地のライブハウスに熱狂を巻き起こしている。最新作は、2024年6月にリリースされたシングル『優勝』。


Surfliner Deluxeに自分の新しい扉を開けてもらった

──まず最初に、Surfliner Deluxeを手にした時の第一印象について教えてください。

ボディの形がアシンメトリー(左右非対称)になっているのが、すごいオシャレだと思いました。私が使っているのは、グラシア・ブルー・メタリックというカラーで仕上げられたモデルなんですけど、可愛くて高級感のある見た目がすごく気に入っています。

──さまざまなカラー・ラインナップの中からグラシア・ブルー・メタリックを選んだ理由は?

初めて目にした時に“すごく珍しい色だな”って、このカラーリングに惹かれたんです。虎の子ラミーというバンドのイメージ・カラーが赤ということもあり、これまでは赤色のギターを手にして活動をしてきたんですけど、このギターに出会った時に“今までとは違う色を選びたい”と思ったんですよね。このギターを使うようになってからバンドのメンバーには、“オトナっぽいキレイな色だね”って言われました。

──ギターの演奏性において重要なネックは、手触りの良いサテン・フィニッシュで仕上げられていますが、握ってみた時の弾き心地は?

このギターを手にした時の第一印象ですが、“すごく手にフィットするネック”だと思いました。サラサラした手触りなのでフレットの移動もスムーズに行なえますね。そこまで手が大きくない私でもすごく弾きやすいと感じるので、小柄な女性や手の小さい方にもオススメだと思います。

──ではギターを抱えてみた時の印象は?

手にした瞬間に“すごく軽い!”って驚きました。ボディのバランスも良くて、立って弾いた時でも自分の体にフィットするから、安定感があって弾きやすいんですよ。長い時間弾き続けていてもあまり疲れないので、“すごく良いギターに巡り会えたな”って思いました。

──ピックアップは、シングルコイル/シングルコイル/ハムバッカーというSSHレイアウトで、幅広い音作りができると思います。

そうですね。こんなにも多彩な音が作れるということは、それだけ大きな可能性を秘めたモデルということだと思います。虎の子ラミーには、ロックだけではなく、ダンサブルなナンバーや、歌謡曲のような歌モノまで、曲の振り幅が広いんですけど、Surfliner Deluxeがあればジャンルに縛られることなくさまざまな曲調にも対応できるように感じていますね。

──今回のデモ演奏では、リア・ピックアップをハードに歪ませたロック・サウンドでプレイされていました。

私が一番よく使うピックアップ・ポジションはリアなんですけど、コードを弾いた時でもギター・ソロを弾いた時でも、音が太いのでアンサンブルの中に埋もれてしまわないような存在感がありますね。デモで弾いた「限界突破」みたいにガツガツしたロック・ナンバーにはバッチリ合うと思います。ボーカルのマザー・ヤナギからは“パワーのある音が出ていて歌いやすい”と言われましたし、ドラムのケイコからも“コードが聴きやすくてやりやすい”って感想をもらいました。今回は、ピックアップにパワーがあるからこそ、ローを出しすぎることで音が潰れてしまわないようにプレゼンスを上げたセッティングにして、“輪郭のあるロック・サウンド”をイメージしながら音作りをしました。

──フロント・ピックアップやハーフ・トーンの音の印象は?

実はフロントの音もカッコいいんですよ! ビンテージ感のある渋い音という印象です。個人的には、アルペジオで弾くフレーズに合うんじゃないかなって思います。センター・ポジションは、フロントよりも音がキラッとしているので、軽く歪ませたクランチ・サウンドでカッティングのフレーズを弾いたりしています。ハーフ・トーンを含めて、すべてのピックアップ・ポジションを使いこなすことができたら、ギターをもっと楽しく弾けるんじゃないかなと思うので、これからこのギターのことを深く知っていくのがすごく楽しみです。

──デモ演奏では歪みエフェクターも組みわせてプレイしていましたが、ペダルとの相性はいかがでしたか?

エフェクターとの相性はむちゃくちゃ良いですね。今回、アンプでクランチ・サウンドを作って、足下のペダルで歪みを足して弾いたんですけど、それでも音が潰れないというのがSurfliner Deluxeの良さのひとつだと思いました。すごく音作りがしやすかったです。デモ演奏では、薄く残響をかけたディレイも使ったんですけど、良い感じにエフェクトが乗ってくれましたね。今後は、コーラスやフランジャーといったエフェクターも試してみたいです。

──改めて、Guildブランドに対する印象を教えて下さい。

実はSurfliner Deluxeを弾くまで、Guildのことは知りませんでした。なので一切先入観なく、予備知識もゼロの状態でSurfliner Deluxeを弾いたんですけど……すごく弾きやすいし、音もカッコいいし、見た目も素敵だし……とても素晴らしいギターに出会えたなって思いました。あと、ライブの時にパワフルな音に引っ張られて、いつもよりも激しくタッピングをしてしまったり、よりエモーショナルなチョーキングをしたり、今までやったことのないアクションが出てきた瞬間もあったりして。“ああ、今の自分はすごく気持ちよくギターを弾いているな”って実感したんですよね。Surfliner Deluxeによって大胆な自分が引き出されたというか(笑)。そうやって、Surfliner Deluxeに出会ったことで自分の新しい扉を開けてもらった感覚があります。

──Surfliner Deluxeは、どんなプレイヤーにオススメですか?

すべてのギタリストにオススメですね。シングルコイルとハムバッカーのどちらも使えて、ピックアップの組み合わせも5通りあるので、フロントで渋いギターを弾くのもよし、リアでパワフルにコードをかき鳴らすのもよし、といった感じでいろんな音を楽しむことができると思います。今回私がデモで弾いたような、歪ませた音でズクズクしたリフを弾くと、本当に気持ちいいのでオススメです。さっきも話しましたが、Surfliner Deluxeを弾くことで私のように新たな扉が開ける人もいるかと思うので、より多くの人にゲットしてもらいたいですね。


CREDITS

場所=Yamaha Sound Crossing Shibuya

取材=尾藤雅哉(BITTERS)
動画撮影・編集、写真=熊谷和樹、岩佐篤樹
録音・ミックス=嵩井翔平

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