第 5 回目の MBPインタビューは、レコーディング・アーティストとして、多くのミュージシャンのCD アルバム、映画、CM の演奏に参加し、室内楽、現代音楽のスペシャリストとして活躍するホルン奏者・藤田乙比古(ふじた・おとひこ)さんです。
藤田さんには日本でマーカス・ボナの取扱が開始した当初から長年MBケースをご愛用いただいています。取材日にお持ちいただいたケースは特注品。特注品ならではの少し悩ましい部分も正直にご紹介します。
※MBPとは:Marcus Bonna Playerの略。MBケースをご愛用の皆様をそう呼ばせていただいております。
― 早速ですがこのケース(MB4)は、カタログに掲載されていない品番ですよね。
藤田 はい。このケースは特注で頼みました。
― このケースは日本にほとんど仕入れたことがありません。何故この品番を特注オーダーされたのか、経緯を伺っていきたいと思いますが・・・まずこのケースはいつご購入されましたか?
藤田 このケースを買ったのは去年です。でも僕が最初に買ったのはボナのケースが日本に入ってきた頃ですよ!当初は亀タイプ(MB1)を使っていたのですが、1999 年の浜松国際管楽器アカデミーでトーマス・ベーコン氏が MB4を持っているのを見て、カッコイイ!と思って買い換えました。
― そのケースを去年までお使いいただいていたのですか?
藤田 はい。20 年弱使い続けました。でもジッパーが壊れてしまって、さすがにケースを買い換えました。
― 20 年弱はすごいですね。ジッパーは今は YKK 社製になっているので※2、耐久性が向上していますよ。
※2 2019年3月現在。予告無く変更される場合があります。
藤田 本当だ!よく見ると色々変わって良くなっていますね。そしてこのMB4 のケースはアレキサンダー103 が入るように中の構造を少し変えて作ってもらったんです。
― 藤田さんもよくご存知の通りマーカス・ボナ自身が元ホルン奏者なので、MB 社は奏者の希望に出来るだけ応えようと様々な特注に対応してくれますが、特注品は完成して日本に届いてみないとその全貌が分からず、リスキーな一面もあります。特注で頼んででも、どうしてもMB4 をご所望だったのですね。
藤田 はい、このデザインがお気に入りです!スタイリッシュでしょ?あとは奥行きの幅が浅いところも良いです。今は大丈夫ですが昔の新幹線は棚の幅が狭くて、このケースの幅でないと入らなかったのです。それと飛行機に持ち込めるというのもかなり重要な点です。
― ほんの数センチの幅の差でも移動の障害になってしまうのですね。ちなみに今人気のMB5stH、MB5stC、MB5BABY もスタイリッシュなロケット型で、100席以上の飛行機であれば持込可能です!※3※3 航空会社によって異なる場合がございますのでご注意ください。
藤田 僕も MB5st を持っています。
― MB ケースを 2 つお持ちなのですね!
藤田 はい。MB5st にはミュートを収納できるので、ミュートが必要な日はそちらを使っています。生徒でも仕事仲間でも MB5 シリーズを使っている人は多いですよ。車移動の人はMB のソフトケースを使っている人もいますね。そういえば僕のまわりには MB 以外のケースを使っている人はあまり見かけませんね。
― ありがとうございます。藤田さんはこれまで MB 以外のケースを使われたことはないのでしょうか?
藤田 アレキのハードケースや、他社のソフトケースを使ったこともありますが、MB が発売されてからはずっと MB 一筋です。ハードケースは重過ぎるし、ソフトケースは電車移動が多い私には向きません。
― MB は堅牢さと軽さを兼ね備えているのですね。
藤田 そうですね。
― それではここで、ケースの中を拝見します。
― ベルトの下にスカーフを挟んでいるのですね。
藤田 スカーフの上からベルトをしっかり締めます。きちんとベルトを締めさえすれば、ちゃんと楽器が固定されます。
― 「ベルトをしっかり締める」といったことは当たり前のことですが、みずから楽器を守るということを意識的に心がけることは大切ですね。日頃から楽器を大切に扱う意識や習慣を持つことはもちろんですが、収納時に管体やベルに無理な力が加わっていないか、楽器がきちんと固定されているかなどを注意深く確認することも必要です。
藤田 そうですね。実を言うと、この楽器はアレキ103ですがF1番抜差管がかなりギリギリに入っています。ジッパーはちゃんと閉まりますし問題はないんですけどね。
― MB4の形だと設計上そうなってしまうのかもしれません。でも1番抜差管がジッパーのところギリギリになってしまうのはなんとなく怖いような気もしますね・・・特注品なので詳しいお答えができずに申し訳ございません。
藤田 でもこれまで全く問題なく使えているので大丈夫だと思いますよ。このケースには満足しています。
― そのように言っていただけて安心しました。
― ベルが動かないように固定するためのクッションの位置は、ここなんですね?
藤田 そうですね。一度上蓋を途中まで閉めてみて、クッションがベルと楽器本体にどのように接触しているかを目で確認しながら、クッションの位置を微調整して最適な場所に取り付けると良いと思います。
― クッションを不適切な場所に配置すると無理な力が加わって楽器を傷つける恐れがあるので要注意ですね。
(上蓋を閉めたときに上蓋が自然に浮き上がってしまう時は、クッションの置き場所が悪い場合があります。)
― ケース内の小物入れには何が入っていますか?
藤田 オイル、スワブ、バズィング用ウォームアップ器具ですね。
― ケース内部の構造でここが良い!と思われる部分はありますか?
藤田 ケースを縦置きにしたときにケース底と楽器本体の間に空間があるので、力の逃げ場があり楽器が直接当たることもないのでとても良いと思います。
― なるほど。これは MB5st、MB5stH、MB5stC にも共通しています。MB5BABY はとてもコンパクトに設計されたケースなのでここまでの空間はありませんが緩衝材が挟まっています。
藤田 あとはこの譜面バッグも気に入っています。取り外しできるので、譜面が必要なときだけ付けています。オーケストラのB4 の譜面が入るのが良いです。普段は譜面バッグを取り外していますが、ケースが更にスッキリします。
― 確かに譜面バッグの有り無しで印象が変わりますね。
藤田 このメタルプレートの MB ロゴもカッコイイです!
― 現在の MB ロゴは丸型のワッペンになっていまして、MB 社は今後はメタルプレートを作らないと言っています。今となっては貴重なケースかもしれませんね。
藤田 それは知らなかったです。
― 最後に、藤田さんが長年 MB 一筋な理由を改めてお聞かせいただけますか?
藤田 僕はケースにはお金をかけて良いと思うんです。中の楽器を変えてもケースはずっと使えますし。それにホルンは高価なものですしね。これだけスタイリッシュで丈夫なホルンケースは他にないですから。僕はこれからもボナのケースを使い続けます。
・長持ち。20 年弱使えた。(ストラップは買い替えた)
・カッコイイ!スタイリッシュ!
・飛行機に持ち込める。
・ミュートを収納できるケースもある。(MB5st, MB5stH, MB5stC)
・堅牢さと軽さを兼ね備えている
・ホルン本体を固定するベルトはしっかりと締める。
・可動式クッションは適切な場所に配置する。
☆今回ご紹介のケースは藤田さんが特注されたものです。
特注品はご希望の仕様と実際の仕上がりが若干異なる可能性がございます。予めご了承ください。特注品ご希望の場合は、ヤマハ特約楽器店へお問い合わせください。
☆その他の縦型ホルンケース
商品名:ホルンケース MB5st ベルカットモデル用
商品名:ホルンケース MB5stH (ハイコンパクト) ベルカットモデル用
商品名:ホルンケース MB5stC (コンパクト) ベルカットモデル用
商品名:ホルンケース MB5BABY (ベイビー) ベルカットモデル用
ストラップ単品の買い替えも可能です。
バックパックストラップ
ショルダーストラップ
MB(Marcus Bonna)は軽くコンパクトで斬新なデザインが人気のハンドメイド管楽器用ケースブランドです。世界中の奏者に愛用されているMB社は管楽器ケースのトップブランドとしての地位を確立しています。